今季前半最後のレース、ツールドふくしま。
エントリーの発端は去年知り合いたちの様子を見ていて「ニセコクラシック楽しそうだな」と思ったこと。
今年はグランフォンド世界選手権として開催するけど、来年以降大会の雰囲気がどう変わるのか、そもそも引き続き開催してくれるのか分からない。そして今年ニセコに行きたければ当然ながらグランフォンド世界選手権の出場権を得るしかない。
出場する19-34歳カテゴリーは女子だと人数が多めで表彰台に乗らなければいけないプレッシャーはないけど、その分ロードレースに慣れていて脚のある選手が何人もいる。ロードレース初心者の自分がその中で上位25%の枠に滑り込むことができるのか。
目標はカテゴリー5位以内。カテゴリーに29人エントリーしてはいるけど、晴れ予報とはいえDNSもきっと数名出るので、安全マージンを見越してこの辺りの順位には入っておきたい。
直前の所感
コンディションがピークアウト傾向なのは富士ヒルのレースレポートで書いた通り。Garminのトレーニングステータスは富士ヒル翌日からずっと「疲れています」。スバルラインを走るとパワー/心拍数の妙でvo2 max判定が下がるから当たり前と分かってはいるけど、精神衛生上非常によろしくない。
平日のワークアウトは富士ヒルの週とほぼ同じ、テーパリング的な内容を2週連続やる感じ。木曜あたりでようやく富士ヒルの疲労が最低限抜けた感覚を得られた。
前日の受付後に30-40分軽く脚を回す。ピーキングが決まってる時の「これだ!」感はないけど、むくみや倦怠感はないから許容範囲。連戦で疲労度ギリギリになるのは分かっていたことだからあるもので戦うしかない。
富士ヒルの反省を踏まえて、食事は木曜夜から炭水化物しっかりめにチョイス。金曜で約体重[kg]×6.5g、土曜は×9g。チャッピーには土曜も×6.5-8gくらいでいいって言われたけど不安だからついカーボロード並みに食べちゃったテヘ。
大きい荷物を夜のうちに車へ積んでしまったのもあり、夜の身支度がスムーズに終わった。いつものレース前日より早めに就寝。
レース当日
バッチリ快眠からの3:50起床。朝食は普段のライド前やヒルクライムレースと同じようなもの+150kcal.くらいの饅頭。昨日の今日で空腹感はあんまりなかったけど問題なく詰め込めた。慣れって怖いね。
サプリメント類(主にカフェイン系)は富士ヒルまでと同じ内容だけど、摂るタイミングや配分はえーぞうさんにアドバイスいただいて少し変えた。本人がその場にいないレースでも頼りまくっていてもはやフォース状態、いつもありがとうございます。あと前日にパワープロダクションのブースで現地調達したBCAAも直飲みしておいた。
宿から会場までアップを兼ねて20分ほど自走。ヒルクライムの時同様ビルドアップ。
手荷物を預けて、知り合いに挨拶したりお手洗い行ったりしばらくウロウロしてから整列。
真岡の反省からあんまり前でスタートじゃない方がいいかと思ったけど、最前列には総合優勝候補筆頭の金子広美さんや手塚悦子さんが既に構えている。80km女子の全カテゴリがごちゃ混ぜで同時スタートなので、人数も女子のレースにしてはかなり多い。近くにいたゆかこちゃんやあんなちゃんと「これはスタート直後からヤバいでしょ……」と顔を見合わせて、各自ぬるぬる前の方に移動。スタートの一本道に辿り着く頃には前から2-3列目あたりを確保した。
スタート〜いきなりの分岐点
7:05頃に140kmの先頭が通過。ほぼ予定通り7:10頃から80kmの各ウェーブスタート。
スタート直後下ってからの短い登りでいきなりカッ飛ばされるのを覚悟していたけど、ここは思いのほか穏やかに通過。
最初のコーナーを抜けた後の平坦は巡航。一発目のしっかりした登りを控えた嵐の前の静けさ。怖いから近くの知り合いと談笑して恐怖を紛らわせる。
斜度が上がり始めた途端にペースが上がって早速縦に伸び始める。前に行こうとついヒルクライムの癖で「右行きます!」と叫んだけど空けてもらえるはずがなくて恥ずかしかった、ロードレースなので当たり前です。
なんとか抜け出して先頭が見える位置に着く。主観でもつい目に入ったサイコンの数字でも、「この長さの登りならまあついていけるだろ」くらいの強度。
最初のトンネルと直後の下りは無事先頭集団で通過。同じカテゴリーのマークしている選手も大体いるから、なるべくここに残りたい。
と思った矢先、片側規制が終わって道が広がるあたり。橋の反対側中央で人が密集している様子が視界に入る。
「「「落車!」」」
片付き始めているのか道は塞いでいないから、落ち着いて二股に分かれて通れば問題ないはず。周りとの距離感に細心の注意を払いつつ、自分は左側から入る。
ちょうど落車地点に差し掛かる辺りで、右前方から衝突音、視界に跳ねるバイクが映る。
元の落車地点を通り過ぎた先は余波で周りも動きが安定せず、なんとか抜け出したものの女子の先頭集団からはこのタイミングで千切れてしまった。かなり広い落車になってしまったのか、後ろからは女子選手はおろか男子の選手も全然上がってこない。
折角のロードレースなのに、こんな序盤から最後まで独走なんて絶っっっ対嫌だ。
追走からの再会
協調すれば前に追いつけそうな選手はほとんど先頭集団についていってしまった。人数は絞られていなかったから、一緒に走れそうな人が数名降りてくる可能性は十分ある。後ろから誰か来るのを待つよりは、無駄脚を使ってでも少しでも進んだ方がいい。
集団に追いつけることを祈りつつ踏み始める。
否が応でも1週間前の富士ヒルがフラッシュバックするけど、足は攣ってないし標高1,000mもないし心拍数も許容範囲だし、あの時に比べたら遥かにマシ。
しばらくするとついに140kmカテゴリーの選手が1人追いついてきた。振り返ったら真後ろにローテしたところで風除け効果すら薄そうな女子選手がついていた相手の絶望は想像に難くないが、こちらもなりふり構っていられる状況ではない。内心平謝りしつつ必死に食らいつく。
永遠に思える時間を経て、ようやく前に人影が見えてきた。徐々に大きくなる集団にしがみついていたら、ようやく見覚えのある湾岸ジャージを捉えた。あんなちゃん、そしてなるしまの林優希さんと別カテゴリーの森廣さんも同じ集団に吸収される。
さっき間近で落車に遭遇してからの工事期間はハラハラしたけど特にトラブルなく通過。もうすぐ葛尾KOMの登りが始まる。
うわ……私の下り遅すぎ……!?
久しぶりの曲がり角を通過してじんわり斜度が上がり、集団が早速まばらになり始める。協調できそうな人がいないか様子を伺ったけど、マイペースで行った方がいいと判断。パワーが下がってないか1, 2回サイコンを確認した程度で後は主観。同カテゴリの選手が2人ほど先行していると分かっているのでKOMも張り切らない。せめてさっきの集団から少しでも逃げられるといいんだけど……と思いつつ下りに差し掛かる。ここは試走の時、むつみさんにコーナーでブレーキかけてたら勿体無いって教えてもらったところ。
いや怖っっっ、レースペースで周りに人がいる状況でこの下りコーナーは怖っっっっっ。
ごめんなさいむつみさん無理です!!
せっかく登りで先行していたあんなちゃん、優希さん、森廣さんにガンガン抜かれる。無いスキルは発揮しようがないので開き直って最低限ふらついたりラインを乱したりしないよう気を付ける。ここでまた千切れたらマジでしょうもないな……と天を仰いでいるうちに、チームメイトが待っていてくれている葛尾の補給ポイント。
CCDを入れている1本目のボトルが3/4以上残っていたから受け取らなくてもいいかと一瞬思ったけど、用意してもらっているスピードウォーターの追いカフェインも考慮してボトルを取る練習(ぶっつけ本番)を選んだ。体育の成績が万年2寄りの3だった人間がボトルキャッチできるかめっちゃ不安だったけど登りのゆっくりペースならなんとか受け取れた。何よりはなまるちゃんとるりさんの応援ですごく元気が出た!

嬉しすぎてレース中とは思えないニコニコぶり。千切れてマズい状況なのを既に忘れかけている。
続く登りで再び女子選手たちに追いつく。この後の下りは絶対皆の方が速いともう分かっているので今のうちに踏む。一般的には見事な無駄脚なんだけど無いスキルはあるもので誤魔化すしかないんだ。
案の定次の下りでまた千切られる。平坦で周りと回してなんとか合流。しばらくアップダウンが続くので、せめて直線の下りでは離されないよう頑張る。田村スプリントは「ここで掛けられるスプリントガチ勢すごいなあ」と思いつつ素通り。また登り基調になってくるあたりから森廣さんとしばらく回せて嬉しかった。
空腹感はないけど残りの距離を考えると流石にエネルギー補給しておきたいなと思いスピードジェルを投下。めちゃくちゃ咽せたのをいなしている間に掛札峠のピークに差し掛かる。
この後の長い下りが終わったら自分に有利な登りはもうない。ここでついていけなければ終わる。
最初の下りよりはコーナーがキツくなかったはずだし絶対集団に残りたい……!
…………
無理だよね〜〜〜〜
(エアロが効かない長さまで開く車間距離)(再びの一人旅)(諦念)
そしてゴールへ
でも先行している人数的にはちょうど目標の5位ぴったりなはず。己の無力さは残念だけど、後はサボらずきちんと完走すれば問題ない。
下りヘタクソウーマンなりに頑張っていたら、ロードレース男子部ジャージの方が追いついてきた。しばらく後ろで休ませてもらい、平坦になってからローテに加わる。他にも何人か追いついてきて、いつの間にか4-5人くらいの集団ができた。
さっきの集団に追いつくのは絶望的かもしれないけど、諦めたくないなという気持ちが芽生える。
登りや下りでついたり離れたりするけど、ほぼ同じ集団で進む。交差点を右折して、下って、道が窄まってちょっと怖い脇道に入って、コブをこえて、一息ついて左折したところで最後の坂が見えてくる。
一応振り返って同じカテゴリーの選手が追いついてきていないか確認。急ぐ理由はないけど手を抜く理由もないので淡々と踏む。
結局あんなちゃんと優希さんには追いつけなかった。
ドリンクとお菓子を配っている辺りでちょうど先行していた同カテゴリーの4人が集まっていたので結果を聞く。1-4位はその4人で確定、他に追い抜かれていなければ自分が5着目のはず。預け荷物を受け取ってから速報リザルトを開いて、順位に間違いないこと、そして既に17人以上ゴールしていることを確認。
ニセコの出場権は間違いなく確保できた。
反省
最終的なリザルトは5位(27人出走・25人完走)。
- 良かった点
- トレーニング計画の段階で狙っていた通り、まずは富士ヒルを焦点に積み上げた脚力が自身の貴重なカードとして役立った。
- 直前の食事計画が上手く効いて、レース中の補給が控えめ(摂った水分は750mlボトル1本分程度、ジェルも1個だけ)でもエネルギー切れや足攣りに悩まされることなく走り切れた。
- 悪かった点
- 下りコーナーがロードレースの中だと下手。周りにまで迷惑をかけるほど悲惨ではない(と少なくとも自分では感じている)けれど、今のままではいくら脚力があっても全く勝負に絡めない。ニセコではもっと怖い下りがあるらしいので、現状維持で8月末を迎えるのは非常にまずい。
- 同カテゴリーのあんなちゃんと優希さんに追いついた段階で満足してしまい、更に先行していたゆかこちゃんと李思さんに追いつくのは難しいだろうと踏んでいたが、蓋を開けるとこの4人は最後ほぼ同時にゴールしていた。しっかり集団についていけるだけのスキル、そして手近な目標で満足せず最後まで諦めない意志の強さを持ちたい。
思い描いていたほど集団に残れるだけのスキルがなかったのでゴール直後は己の未熟さに溜め息しか出ませんでしたが、帰路に着き始めてから世界選手権の出場権を得られた喜びがじわじわ湧いてきました。よく考えたら今までの人生で予選を通過しなければ出られない大会への参加資格を得られたこと自体初めて。
知り合いを含む沢山の人たちが求めて何ヶ月も練習を重ねてきた、今年のニセコの数少ない切符をいただくことができてとても光栄です。同じ19-34歳女子カテゴリーの皆様、一緒に出走した他年代の女子選手の皆様、レース中にご一緒させていただいた方たち、そして今までの練習等で関わってきたり準備を手伝ったりしてきてくださった皆様、本当にありがとうございました。
世界選手権の出場権を得た他の、特に女子選手たちは1秒でも長く一緒に走りたい方たちばかりで、同じチームジャパンとして出走できるのがとても楽しみです。
良い結果を出すためにはまだまだ課題が山積みですが、8月末のニセコで少しでも満足のいく走りができるよう、少し休んでからまたしっかり積み上げていきます。













